水、お茶、ジンジャーエール、そして酒

村上信五さんと松本孝弘さんがキラキラして見える。 @keepmugicha

1月17日 元気が出るLive!!オーラス公演の話

まずは、今回のツアー全体の話を。
今回のツアーは本当に素晴らしかった。
私が見たいと思っていた関ジャニ∞がそこにはいた。
去年の話を引き合いに出してしまって申し訳ないが、関ジャニズムは正直、村上担には多少なりとも手放しに満足したとは言えない状況もあって、だから今回のツアーも、自分で目にするまではとても不安だった。
だけど、そんな不安を丸ごと全部吹き飛ばすくらいに今回のツアーは本当に、本当に素晴らしかった。
楽曲はもちろん、トークのタイミング、キャンジャニちゃん、渇いた花、そしてなんといってもインストからの勝手に仕上がれ。
いつか、インスト曲を弾く関ジャニ∞を見たい、関ジャニ∞ジャムセッションをしてほしいと私は関ジャニ∞にはまってから常々友人には話してきた。しかし、その夢が叶うのはきっともっと後の話だとも思っていた。
正確に言えばHigh Spiritsはジャムセッションではないけれど、とにかくインスト曲のHigh Spiritsからの勝手に仕上がれの流れは、何度聞いても鳥肌が立った。
そして、各地方公演の最終日にダブルアンコールを行わなかった、ということも私としてはとても好感を抱いている。
このセットリストでこのライブはきちんと完結している、と、本人達が自信を持って提示してくれているんだ、と思えたからだ。
その公演を、私も最高に楽しい幸せな公演だと思えることがとにかく嬉しかったし、何より、入った日によって聴ける曲が増えたり減ったりすることに多少なりとも疑問を持っていたということもある。
とにかく、元気が出るLive!!は最高のライブツアーだった。


ということをまずは念頭に置いて、最終日の話をしたい。
あくまでも私個人の意見なので、きっと「そうじゃない!」って思う方もたくさんいらっしゃると思う。
その時はそっとブラウザを閉じて頂けるとありがたい。

関ジャニ∞の大阪公演に入るのは、私にとって、今回が生まれて初めてのことだった。
ちなみに、幸運にもオーラス公演の他に16日にも参加できる予定だった。
16日の公演内容も相変わらず最高に楽しくて皆最高にかっこよくていつも通りの元気が出るLive!!で、明日でライブが終わってほしくないね、寂しいね、と友達とずっと話していた。
17日も、だから相変わらず最高のライブに参加できるんだと信じて疑わなかった。

当日、私は他の村上担の方たちに誘ってもらって、直前まで4人程で集まってお茶をしていた。
お互いに今年のツアーが本当に楽しい、幸せな時間だという話で盛り上がり、会場に着いたのは開演の10分ほど前だった。
バタバタとライブ開始までの用意をしていたため、いつもなら直前に放送される注意事項の映像が流れなかったことに気がついたのは、ステージ上に数人の黒いパーカーらしい服を着た人影が見えた時だった。メンバーだということはすぐ分かった。そして、つまりこれは絶対に良くない何かがあったのだと、本能的に察した。

思い出したのは、KAT-TUNだった。
2013-2014のカウコンが始まる前、メンバー4人がステージ上に現れて謝罪をしたあの光景と、そして、ベスアでKAT-TUNが着ていた赤いコートだった。
けれど、あの時と違うのはメンバーの着ている服が見慣れた衣装ではないこと、そして、人数だった。
何回見ても6人だった。
誰がいない?と思ったが、すぐに分かった。
金髪がいない。
大倉さんだ!!!!!

体が震えた。
様々な想像が一瞬で脳裏を駆け巡った。
昨日まで大倉さんはライブをしていた。生放送のラジオだって。
でもこの場にはいない?
生死に関わるような何かが?
もしくは……。

口を開いたのは村上くんだった。
「ご覧のとおり、大倉がいません」と言った。体の震えが止まらなかった。息を吸って吐くことすら苦しかった。
村上くんは、しかし、しっかりとした口調で続けた。
大倉さんが急性腸閉塞を発症したこと。本人は今日出たいと言っていたこと。しかし、ドクターストップがかかったこと。
私はこの時点では、それなら振替公演になるのだな、と思った。それも仕方のないことだとも。
ドクターストップ、というだけで、実際がどの程度の病状なのかは分からなかったから、今日のライブは中止でも仕方がない。大倉さんが復帰できたらまたあのステージを、と思った。
その後、6人は、今日6人でライブをしたいと思っていること、しかしそれはエイターに聞かないと決められないと、話した。これはすばるくんが話したんだったんだろうか。正直、心臓が爆発するかと思うほど鼓動を打っていて、頭がぐらぐらと揺れていたため、しっかりと覚えていない。
とにかく、ライブを6人がしたいことを告げられて、私はようやく、今大倉さんは病院にいるし、今すぐ6人もかけつけなければならないほどの命にかかわる病状ではないのだと、ようやくそれだけは理解できた気がした。
それなら、6人がしたいと思うのなら、ライブをして欲しいと、そうしてやっとそれを考えることができた。だって、大倉さんの気持ちをきっと今この世界中で誰より理解しているのは6人のはずだ、と。
正直、大倉さんがいないライブを、彼らがどういう形で公演するのかは、とても怖かった。
怖かったけれど、だって一番怖いのはメンバーのはずだと思ったら、ライブをやりたいと言った6人に私はひたすら拍手することしかできなかった。

ライブをする、という結論に達した後、6人が様々口を開いた。
いつもの関ジャニ∞のMCとは違う静かな言葉だった。
大倉さんと、そして病状がわからずに混乱するファンをなんとか安心させようとするような、大倉の穴を俺たちで埋める、といった、そんな話しだったように思う。
メンバーの声は強張って聞こえた。
どうしても、6人でライブをすることが不安で、そして何より、大倉さんのファンのことを気遣ってのことだったのだと思う。

6人が衣装に着替えてくると言い、舞台裏にはけた瞬間、「良かったぁ……」と声が出てしまった。
良くない。大倉さんの急病を考えれば決して良くはないのだけれど、本当に最悪の事態を考えていた。
まさか生死に関わるような?もしかしてこの世にいない?
それとも急遽、グループから抜けてしまった?
もう7人の関ジャニ∞は見られないの?
そんなことをずっと考えながら6人の挨拶を見て聞いていたから、大倉さんは無事なこと、グループは変わらず7人だということが分かった途端、緊張が一気に切れてしまった。
そうしたら、もう涙が止まらなかった。
「怖かった」「誰もいなくならなくて良かった」と繰り返して泣きじゃくってしまった私の肩を、隣の席の知り合いが黙って抱いてくれた。泣き止むまでずっと、抱いた肩をぽんぽんと優しく叩いてくれていた。
「田口くんみたいに、大倉くんもいなくなっちゃったらどうしようかと思った」とうわ言みたいに繰り返す私の頭に自分の頭をくっつけて、ぎゅうっと肩を抱いてくれていた。
私がKAT-TUNで一番好きな人は田口くんだった。そして、田口担の友達がその件で疲弊した姿も目の当たりにしていた。だから、私が田口くんのベスアの時に、担当でなくともとてもとても辛かったということを、その人には少しだけ、前に話していたことがあった。
知り合いは、きっとその話を思い出したのだと思う。
肩を抱いてもらって、ようやく涙を止められた頃、ライブは始まった。
いつもの、会場までの道の映像にはやっぱり大倉さんもいて、胸が絞られるように苦しくなった。
そして、メンバーが裏で円陣を組む映像が映った。
カメラが、村上くんに呼ばれて大倉さんの立ち位置に入る。
大倉さんがいないライブが、そうして始まった。

ライブでの様子は、様々レポが上がっているので、そちらで見て頂ければと思うが、ライブでは皆が大倉さんのうちわを持ったり、歌詞の一部を大倉さんに向けての歌詞に変えて歌ったり、他のメンバーが大倉さんのパートを担っていた。
バンドパートは、TAKOYAKIオールスターズの方のドラムが小さい音で聞こえていた。
丸ちゃんのベースは調子が悪いようだった。本人も最初たくさん間違えた、と言っていたけれど、しかし、最初の一曲目、ドラムがいない中、唯一のリズム隊として必死にリズムを刻む丸ちゃんは本当に本当に、格好良かった。

キャンジャニちゃんの時も倉子ちゃんのあのゲスい自己紹介もなく、丸子ちゃんへの冷めたツッコミもなく、村子ちゃんの好きな人に手を出しては冷たく村子ちゃんを突き放す倉子ちゃんがいないことは、あまりに大きかった。
倉子ちゃんのパートを担った安子ちゃんがとにかく一生懸命で、でもその姿が優しいキャラクターの安子ちゃんにはあまりに滑稽で愛らしかった。
大倉さんはいないけれど、大倉さんは確かにいる、そんなライブが進んでいく。
それでも、まだどこか胸の内に不安のようなものはあった。何かは分からなかったけれど、確かに何かがはさまっていた。

MCの時間までそれは続いていた。
MCはやはり、大倉がいないけれど、関ジャニ∞です、といった話から始まった。
その後、村上くんが大倉さんのうちわを見て、おかしそうに笑った。
全部大倉さんに絡めるメンバーを、いつもの顔で、村上くんがおかしそうに笑っている。
そして、「重症ではない」「最初はガスピタンを飲んでどうにかしようとした」といった話を村上くんがした。
そうして私の胸の内はようやく楽になった。
ああ、村上くんは少なからず大倉さんと話しをしてるんだ、どういう状況だったのか目で見て把握してるんだ、と、そんな風に思えた。
最悪の状況ではないんだ、と。

その後、村上くんは所々で座り込んだりしている様子が見られた。けれど、それを隠さない様子を見るにつけ、本当に大倉さんの病状は最悪のそれではないんだろうな、と思った。
短いファン期間でこんなことを言うのはどうかとも思うが、おそらく立場上、スタッフや大倉さんとのやりとりを行ったのは横山さんや村上くんなのだろうな、という想像はついていた。
だからおそらく、村上くんはライブが始まるまで、様々な調整に駆けずり回って、気持ちを割いたんだろうな、と。
もし、大倉さんが私達が想像するよりももっと大変な状況なら、その顔すら村上くんは見せないんじゃないだろうか。もっと奥底に抱え込んで出さないんじゃないのか。
ファンを不安にさせないために笑って元気な様子を見せてくれていたというのももちろんあるだろうけれど、それでも、少なくともあの笑顔に隠す意図はなく、嘘もないように私には見えた。確かに大倉さんが急遽欠席となったことへの動揺はあっただろうけれど、決して笑顔で自分の不安を隠しているのではないのではないか。
そう思ったら、ああ今こうして笑って頑張ってライブをしている村上くんを信じようと、そう思えた。
「大倉ファンは、今日まで一年頑張って大倉に会いに来たのになぁ!会いにいったのにおらんかったやないかってラジオに送ったれ!」 と、大倉さんファンへ言ったことに、優しい人だなぁ、と思ったら、とても安心した。安心できた。

メンバーも本当に心細かったし辛かったのだということは、最後のすばるくんの挨拶での、彼の涙で十分理解できた。
だから村上くんだって辛くなかったわけではもちろんないのだろうし、とても大変な立場にいる人なんだということも分かっているし、何より彼は、多分本人やメンバーが言うほどポジティブで心が強いわけではなくて、今までのインタビューや、ライブで村上くんが良く言う「辛いこと、苦しいこと、腹立つこと」という言葉を聞く限り、どうにもならないことや辛いこと苦しいことをたくさん腹に納めて溜め込んで、それに素知らぬ顔をして生きている人なんじゃないのかなぁとも思っているのだけど、とにかく、17日のライブでは彼の笑顔といつも通りの振る舞いにとても心を救われた。
自担てこういうことなのか、と、実感してしまった。




こんなライブに参加してしまったら、もうここから私はきっと抜け出せないんだろうな、と、ライブが終わった後ぼんやりと考えた。
まずは大倉さんがいつも通りに顔中くしゃくしゃにする笑顔と笑い声を見たい。最高に色気のある、あのドラムを聴きたい。
いつもみたいにくだらない話をして楽しそうに笑いあう7人をこの目にしたいと心底思っている。
ので、きっと誰より一番気を揉んでいるだろう大倉さん、今はゆっくり養生して元気になってください。
あなたのいない、6人ががむしゃらに頑張っていたライブはいつもとは違う形で私達を楽しませてくれて、でも、ぽっかり穴が空いたみたいに、本当にとても淋しかったです。
そして、大倉さんファンの方達が早く、元気な大倉さんを目にして、安心した幸せな気持ちになれますように。