水、お茶、ジンジャーエール、そして酒

村上信五さんと松本孝弘さんがキラキラして見える。 @keepmugicha

友達の話

1日がやっと終わった。外は雨が降っている。こんなに激しく降るのは久しぶりだなあなんて思いながら、スマホをいじっている。
何から書けばいいのかわからないけれど、黙ってもやもやしているのが辛いから、つらつらと書くことを許してほしい。

11月24日。
ベスアのDead or Aliveを見終わったあと、震える手で友達へ電話をかけた。
電話は3コール鳴ったと思う。
「はい」といういつも通りの友達の声が聞こえた。本当に全くもっていつも通りだった。
その声がとてもとても怖くて、私は思わず「大丈夫?」と尋ねた。
「ねえ、田口くんが」
そこまでしか言えなかった。
多分、電話に出た時の友達の声より、それを口にした私の声の方が震えていた。
電話の向こうの友達は、「あー、うん」と答えた。
「なんか、今まで信じたくなくてへらへらしながらテレビ見てたけど、麦茶の声聞いたら……だめだあ」
最後はもう涙で言葉になってなくて、その声を聞いて、私もやっと、あの田口くんの言葉が現実だったことを知った。
とりあえず一人でいたくなかった。友達にも一人でいてほしくなかった。
「とりあえず今から家行くね?いい?待っててね?」ってそんなことを電話の向こうに何度も問いかけた。
返事は涙まみれでよく聞こえなかったけど、電話を切って車に飛び乗った。
50分近くかかる距離、車を飛ばして友達の家へ向かった。

友達の部屋に着くと、彼女はいつも通りの冷静な顔で私を出迎えてくれた。
あの涙声は微塵も感じられない顔だった。
「どうぞー」と部屋にあげてくれた彼女は、私にお茶を出してくれた。
テレビはつきっぱなしで、ベストアーティストが流れていた。
「田口くんが」
お茶を出して、ようやく腰を下ろした友達に、それしか言えなかった。
友達は「うん」と言った。
「いや、なんかもうびっくりして」と言った後、「現実感ないよね」と笑った。そんな風に笑う友達を私は初めて見た。
最初に泣いたのは私だった。
彼女のその表情にとても悲しくなって、友達を抱きしめて泣いた。
友達は最初は何も言わなかったけれど、そのうち、私の肩に顔を埋めるようにして声を上げて泣きはじめた。「どうして」「なんで」って声が聞こえたけれど、涙でぐちゃぐちゃでお互いに何と言っているのかも、もう分からなかった。

たくさん泣いて、抱きしめあって、ようやく涙が渇くと、二人して何を言うでもなく、テレビに流れ続けていたベストアーティストを見た。
「ほら、関ジャニ出てるよ」
友達がポツリと言った。
「ヒナちゃん頑張ってるよ」
画面を見ていたはずなのに、私は関ジャニが出てきたことにも、村上くんが出演していることにも全く気付いていなかった。歌も頭に入らなかったし、何を歌ったのかすら、正直覚えていない。
後で、別の同担友達に侍唄を歌っていたと教えてもらったけれど、本当に記憶がない。
ただ、関ジャニを見ながら、友達が「麦茶は、ヒナちゃんのことこれからもいっぱい応援してあげてね」と言ったことだけは鮮明に覚えている。
「たった2年だったけど、田口くんをめいっぱい応援できて楽しかったなあ」
「さみしいなあ」
「もっと早く、田口くんが好きだって言っておけばよかった。もっと早く応援してたらこんなことにならなかったのかなぁ」
涙声でそう言った、田口担の友達の声が忘れられない。





明日、私が好きなイタリアンのお店でランチをしよう!と田口担を誘った。
ランチの後は、紅葉を見に行って、温泉に入るんだ。
私に何をしてあげられると思わない。きっと気休めにしかならないけど、明日はいっぱい遊ぶんだ。
あーーーーーーでも本当に田口くんのばか!!!!
友達泣いてるよ!!!!あんな元気ない友達、はじめて見るよ!!!
今からでもウソウソカワウソーって言ってよ!!!!!!
私だって4人のKAT-TUNが好きなんだよ!!!!
友達がキラキラした目でする田口くんの話が大好きなんだよ!!!!!!



私ばっかり、好きな人を変わらず追いかけて、応援して、楽しい気持ちでジャニーズを応援していていいのかな、なんて考えてしまうのがとてもつらい。
田口くん、お願いやめないで。
なんてことばっかり考えてしまう。
他担なのに。自分が一番に応援しているグループでもないのに。とてもエゴな理由でそんなことを考えてしまうのだっていけないことかもしれないけど、でもやっぱりやめないでって、それしか考えられないんだよ、田口くん。
私だって、アイドルの田口くんをまだまだ見ていたい。友達の悲しそうな顔を見たくない。
とりあえず明日は田口担とたくさん遊んで話して、明後日にはハガキを書こうと思う。
田口くんやめないで。
それしかきっと書けないけど。